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マンスリー上次さん 2月号 その2

TOPICS | 18.02.07

­ 不思議ですね!私のところ(山梨・清里)によく視察団という名の勉強会の方々が訪ねてきます。行政の方々が多いのですが、私に言わせますと「来ないよりはましかもしれないけれど、まったく無駄遣いで無意味な研修旅行だなあ」と思います。個人で泊まり、夜、バーでお酒を飲み、私と本音で語り合うのが一番情報を共有できる方法です。よく検討委員会という名の団体が視察旅行をしていますが、50年前なら国内でも参考になりましたが、今や世界の先進国といわれている日本ですから、視察に行くのは世界の最先端を走っている国・街ではないでしょうか?!ニューヨーク・ラスベガス・パリ・ロンドンなどなど。たとえば文化ホールを作る計画というのであれば、休館日や閑散期のお客様のいないホールを訪ねても無意味です。イベントの真最中でチケットが取れないような所に潜り込み、大勢のお客様と一緒になり五感で体感しなければ無理です。また、競技場などを計画するとしたら、最高の試合を見に行き熱い会場の雰囲気を五感で感じてくるのです。建築物を見て説明を受けただけではまったく不十分です。会場などは道具にすぎません。どう使われているか、何故そうなっているのかソフトがわからなければ何の意味もありません。

 

例えてご説明しましょう。ヨーロッパの街の建物と日本のヨーロッパ風建物では写真を見ると同じに見えますが、実は違う点がたくさんあります。例えば、窓が内開きか外開きかの違いです。ヨーロッパの窓は内開きです。日本は多くの場合外開きです。何故でしょうか?それは窓辺に花を飾るからです。外からでも中からでも見て楽しめ、さらに管理がしやすいためです。窓辺の花の手入れをしたり、水やりをしているシーンをみたことはありませんか?!また、大学の先生や地方創生プロジェクトの方々の研修旅行と、旅行雑誌の記者やテレビの旅番組の方々の下見旅行の違いは何でしょうか?お硬い方々の研修旅行は、自腹で都市づくりや建物の勉強に行きます。写真を撮り、担当部署から説明を受け、偉い人の話を聞いて・・・。でもレポーターやライターの方々は、スイス観光局・フランス観光局からスイスエアライン・フランスエアラインのファーストクラスチケットが用意され、三ツ星のホテルが予約され、高級レストランに招待され、ミュージカルやバレエまで見ることができて、最高のもてなしを受けます。この方々は五感で体感してきます。ですから旅行雑誌や旅番組は「いってみたい!」という結果になります。このような方々がお店をオープンしたりすると、たちまち人気店になるのです。一方、大学の先生や地方創生の名のもと、国の予算を使って作る大きなプロジェクトは華やかさにかけ、使い勝手も中途半端で稼働率も低く、ことごとく失敗するのです。山梨はその例が身近にいっぱいあるではありませんか。それでも懲りずに同じことの繰り返しをしていませんか?!

 

私の友人が言いました。「そばとラーメンとピザは一ヶ月で一応マスターできる。誰でもチャレンジできて間口は広い。でも、最後まで生き残れるのは、本当に美味いものを食った人、美味いものを知っている人だけだ。だからピザのお店を企画する時にはイタリアにピザを食いにいかせろ!とにかく、うまいと言われるお店をこれでもかというくらい食い歩きさせろ。」ごもっとも!山梨でも中途半端な研修をしていませんか?私は、一見真面目そうな研修の方が学んだ成果を期待して成功するように思われがちですが、本当はこちらのほうが無駄だと思っています。私はむしろ、マスコミでたたかれているような、お金もかかり楽しそうでいろいろな民間人と接するような研修旅行のほうが大きな成果を残すと思います。

 

私の友人が小さな村の村長をやりました。通常は村会議員が東京に研修に行くときには、町村会館という宿泊施設に泊まります。しかしその村長は「東京に行ったら東京にしかないいいホテルに泊まれ。レストランは一流と言われるところで食べろ!村のリーダー達が良いものを知らない、美味いものを食べたことがない、そんなでどうしていい村が作れるのか?!」と言って実行し続けました。

 

大分県に大山町という小さな町があります。今は合併して日田市大山町になりました。一村一品運動で全国的に町づくりのモデルになっている所です。ここの農協がすごいのです。50年前に「梅・栗植えてハワイに行こう」というスローガンを打ち立てました。5反歩以下の農地しか持たない農家を一般に貧乏百姓といいます。大山町の農家は平均して4反歩しか農地を持っていません。谷間の猫の額ほどの土地しかない場所です。でもそこのお百姓さんの凄さは、世界を見て回り日本も見て回り、自分達の作られた農産物が物流の最後・末端でどのように価値がつけられて売られているかを知り尽くしています。JA大山で検索して調べてください。そこに矢羽田正豪(やはた せいごう)さんという組合長がいます。すべての農協職員を3班に分け萌木の村の研修旅行に来させます。「萌木の村に来ても何も参考にならないですよ」と私は言うのですが、組合長曰く、「センスの勉強です」だそうです。オルゴールのコンサートを聴き、ポールラッシュ記念館に行き、そして次の日は東京の最高のホテルで宿泊し帰っていきました。私たちが九州の大牟田でバレエ公演を行った時、そのことを伝えると、何と!大山町からバス2台で大牟田まで駆けつけて鑑賞してくださいました。だから農産物だけではなく加工商品も農協商品の中ではピカイチのセンスなのです。大山農協の組合長が山梨に来て言われる言葉があります。「恵まれすぎているがために甘えているのでしょう。大都市東京・最大の消費地が隣にあるという最高の条件を生かしきれていないのです」

 

今、私が考えている総合施設の中に、山梨の農産物と加工品の素敵な直売所が作れたら、もっと魅力的な構想になりますね。

 

※マンスリー上次さん 2月号 その3に続きます。