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萌木の村マガジン

マンスリー上次さん 2025.8月号

2025

Aug

01

社長コラム

36回目の清里フィールドバレエが7月26日に開演した。一日一日、そして一年一年の積み重ねで36回目の公演を迎えた。いつも思うことは、どれだけ多くの人が関わって今日の公演を迎えることができたのかということ。そしてバレエと共に萌木の村の環境は、ポール・スミザーさんという自然を心から愛するひとりの人によって生まれ変わった。

萌木の村は設立当初から「自然との共生」を掲げて村作りに取り組んできた。芝生の広場やバラ園、キッチンガーデンなど様々なチャレンジをしてきたが、今思えば名前ばかりを掲げて本質は捉えていなかったと思う。13年前にポール・スミザーさんと出会い、彼を信じ続けてようやく「自然との共生」を実現できた。我々もようやくその真髄が理解できるようになった。

そして今年春には環境省から「自然共生サイト」として認定され、国からお墨付きをいただいた。まさにこの風景は私の子供の頃の景色である。川ではサワガニやカジカがいたし、田んぼではタニシやドジョウも採った。いつからいなくなってしまったのか?!毎日、新聞ではトランプ大統領のひと言に振り回されていて、関税問題も大きな問題だが、この異常な暑さの方がはるかに大変なことだと思う。都会にいるとビルの中では空調が効いていて逃げ場もある。身近に自然が少ないために、自然環境が悲鳴をあげていることを身に染みて感じられないのだと思う。田舎は周りは自然だらけなので大きなダメージを受けていることを身近に感じている。今の状況はヤバいと思う。

一番大事なことは、地球上で我々人間も他の生物と同じ生命体の中のひとつであるということ。人間だけ特別ということはない。他の生命体と共生しなければ生きていかれないということを忘れてはならない。人間だけで生き残れることはあり得ないのだ。この夏、フィールドバレエを鑑賞しながら周りの環境を見てほしい。萌木の村の土の中は無農薬・無化学肥料だから豊かな微生物が活動していて、700種類以上の元気な植物を育み、昆虫や蝶々の幼虫やてんとう虫の餌になり、それらは爬虫類や鳥たちの餌になる。豊かな生態系が存在しているのだ。

最近理解したことだが、地球上の生命体は微生物と植物と動物である。全ての生き物は餌を食べて生存する。餌がなくなれば存在できなくなるのだ。命の連鎖が生命体の掟である。

そんなことを考えてみてほしい。今ならまだ間に合うかもしれない。みんなが気づけば道が開かれるかもしれない。

萌木の村村長

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