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萌木の村マガジン

マンスリー上次さん 2023.9月号

2023

Sep

01

社長コラム

数値だけを信用する社会への疑問と葛藤

最近思うことがある。数字に表せないことはいっぱいあるのに、無理矢理数値化しようとする、あるいは数値しか信用しない社会に疑問を感じる。特に環境教育、芸術、人の心などは数字におきかえるのが難しい。たとえば「萌木の村の空気は特別だ」と言っても「何がどれくらい他と違うのか説明しろ」となる。

12年ほど前から化学肥料、農薬による消毒をやめて、原生種の山野草を中心に庭づくりをしてきた。蝶が舞い、虫や昆虫が元気に活動し、野鳥が繁殖を繰り返す。これほど生物の多様性が見られるガーデンは少ないと思う。虫や昆虫や野鳥は安全な場所と安全な餌を敏感に見分ける。萌木の村のナチュラルガーデンは安心できる場所なのだ。でも我々人間はそこまで感じない。これをどうやって説明すればわかってもらえるのであろうか。

これからの清里が存在価値を持ち続けていくために

また、清里フィールドバレエやオルゴールなど芸術・文化が清里にとってなぜ必要なのか聞かれると、なかなか数値で説明できない。私の頭の中では部品は揃っているような気がするが、それを整理してわかりやすく説明するまでには至っていない。清里がこれからの時代において存在価値を持ち続けていかれるかが試されているように思う。

清里フィールドバレエが何のために必要なのかを自問自答した。出た答えは“感動と笑顔”だった。34年間続けてこられたのは1回1回の積み重ねでしかない。その時々で妥協せずより良い舞台、より感動する演出、より清里らしい公演にする努力の末に現在がある。その都度実現するために様々な関係者の努力と感動と笑顔があった。未来の清里にとっては、ここだけしか実現できない清里フィールドバレエは絶対に必要なのである。入場者数とかチケット収入とか単純な数字では判断できない。私は清里フィールドバレエには、様々な付加価値がついていると確信している。

萌木の村村長

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