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萌木の村マガジン

マンスリー上次さん 2024.4月号

2024

Apr

01

社長コラム

私の母は99歳、ありがたいことにまだ元気に暮らしてくれている。父は存命ならば100歳である。父や母が清里に移り住んだのは昭和13年、まだ10代の時だ。最初は共同生活を強いられ、家庭ごとに暮らすことはできなかった。生活の糧は原野を開拓してやせ地で作物を栽培するしかなかった。この「マンスリー」を読んでいる方で想像できる方はいるだろうか。

最近格差社会とよく言われるが、多くは経済的格差のことを言っている。私は全てのことに格差が広がってしまっているのではないかと思っている。価値観の格差、知識格差、経験の格差、地域格差などなど。同じ日本に暮らし日本語を話しているのにこれらの格差のために頭の中でイメージしていることが違うのだ。同じ清里で生まれ育った人ですら年代を超えると通じ合えない。

清里第一世代・・・100歳くらいの先輩方

清里第二世代・・・我々のような70歳80歳代の人たち

清里第三世代・・・40歳代

そして清里第四世代・・・10歳代20歳代

世代間格差も大きい。

私は開拓入植当初の、冬の寒さと食糧不足で人が亡くなる時代は知らないが、私が生まれた頃は掘立て小屋、薪ストーブ、ドラム缶風呂、井戸、汲み取りトイレの生活だった。水道もテレビも冷蔵庫も洗濯機もない。こんな話は第三世代、第四世代には想像できないだろう。まして都会の人にはもっと理解できないことだと思う。何を言いたいかというと、共通のイメージを抱けない時代だということ。この100年の間の生活様式の変化は目まぐるしすぎたということ。その結果同じ日本語を喋っていながらもイメージしていることが全く違うという現象がおきて、理解し合えずイライラしてストレス社会のもとになっていると思う。

もうすぐ清里がある北杜市では市長選、市議会議員選挙がある。「地域の活性化」「自然を生かした観光」「安心安全な社会」とか皆さん訴えるが、自分が意図したイメージが相手に伝わっているとは限らない。一人一人の頭の中はイメージがずれていますよ。だからみんな悩むのでしょうね。この地に住む人達がせめて三つくらい「北杜市が誇れるもの」を共通認識すれば、この地で住む誇りと喜びとそして楽しい時間が持てるのではないでしょうか。その三つを市長さん、議員さんになる人は考え提案してほしいと思う今日この頃です。

萌木の村村長

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