萌木の村 村民かわら版

八ヶ岳・清里高原「萌木の村」のスタッフが綴る季節ごとの村の表情や、個性あふれる各店舗のあれこれです。
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マンスリー上次さん 7月号

  今月末に清里フィールドバレエが幕をあける。私にとっては1月のお正月、4月の年度初めも大事だが、この7月は特別な月になっている。すべてを7月28日の開演に合わせ準備するため、庭づくりや環境づくりは一時中断し、作業道具等を片付け整理した。
 萌木の村の庭づくりと環境づくりはこれからもまだまだ続くが、「確実に変化している」という実感がある。一年、二年、三年と年月を重ね山野草達は大きく育った。八ヶ岳に生息する100種類以上の野草が今、萌木の村の中で元気に育っている。2か所あるパーゴラの根元には山ブドウ、アケビ、マタタビなどのつる性落葉樹が植えられ、来年にはパーゴラの屋根まで伸びて日陰をつくり出すだろう。
 ポール・スミザー氏と出会い、この3年間一緒に庭づくりをして思う事は、彼の考え方で「清里の景観をつくり直したい」ということ。私はこれまで30年以上萌木の村の庭づくりをしてきた。ハーブガーデン、ローズガーデン、キッチンガーデン等々だ。振り返って考えてみると毎年今頃の時期には手入れが追いつかず、美しさよりも荒れた状態となり決して心地のよい環境ではなかった。しかし今は一年一年、そして日一日と美しくなっている。手をかけなくても山野草が自分達で育ってくれる。この彼の考え方を広め、清里駅前の庭も同じように「清里らしく」変えていきたい。ポール・スミザー氏によれば「しっかりした知識のもとやり直せば良くなる」との事だ。そして一番は清泉寮。牧場が目の前に広がるあの場所を萌木の村の石積みのような作業をして山野草ガーデンをつくり、そこから見た富士山が日本一美しく見える環境をつくりたい。
 「美し森」から見る山々の景色は世界一だ。スイスのアルプスの景色にも、アメリカのロッキーの景色にも絶対負けないはずなのだが、今は決してそうは思えない。あの場所に似合わない建物、荒れたままの自然…。世界一の美しさを感じる前に身近の手入れの悪さですべてを台無しにしてしまっている。
 ポール・ラッシュ先生はとにかくキレイ好きだった。私が子供の頃の景観を想い出すと、ランドスケープデザイン、建物と自然の調和、里山の美しさ、ともかく夢のような景色ばかりが思い浮かぶ。そんな美しさを復活させたい。
 私は萌木の村がしていることを多くの皆さまに見てもらいたい。それはまさにコロンブスの卵のように今まで出来ないと思っていた事が出来る瞬間だ。「石を積むこと」「花を植えること」「木を切ること」それらは皆、清里に住んでいる人なら可能な事である。しかし、それだけでは美しい景観は作れない。「センス」や「感性」を持っていることが重要だ。その事をポール・ラッシュ先生は実践してみせた。当時先生の作った「教会と自然との調和」は、先生亡き後に作られたものとまるでセンスが違う。くしくも今は同じ名前のポール氏がこの地にいる。彼はこの地の宝物だ。今は行政も民間も一緒に彼の考えを学び、我々は未来の為に基礎を作る時だ。
 皆様、清里萌木の村に来て、「五感」で感じて下さい。
 自然の中で木や草と人が共に助け合い育っていくという私達のゴールはまだまだ5年、10年、いやもっと先かもしれない…。しかし今、私はスタッフに事ある事に言います。
 「この景観が育つのに負けないよう我々も成長しよう!」と。
そんな中で今年の清里フィールドバレエが始まります。まだまだ未熟者ではありますが、今の私達の全力を尽くします。すべての人が「ここでしか」「この時だから」という感動を手に入れる為に!
上次さんの気持ち
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