Magazine

萌木の村マガジン

マンスリー上次 2026.08月号

2026

Sep

01

社長コラム

皆様、ぜひ添付の動画をご覧になってください。

柔道家・山下泰裕さんの今を伝える報道番組です。1984年ロサンゼルスオリンピック柔道男子無差別級決勝、ふくらはぎ肉離れの大怪我を負いながらもエジプト・ラシュワン選手と戦って、金メダルを勝ち取り世界に感動を与えた山下さん。その精神力の強さを物語る現在の山下さんです。山下さんは清里フィールドバレエをはじめとして、長年にわたって萌木の村を支えてくださっている尊敬する方です。私は心の底から応援しています。そして、その番組をご覧になり、やはり大きな勇気をもらった佐藤和子さんのメッセージをご紹介させていただきます。佐藤さんも清里フィールドバレエやカントリーフェスタin萌木の村の司会などで大変お世話になっている方です。

動画やメッセージをご覧になって心に響いた方、ぜひ私にコメントを送ってください。

よろしくお願いいたします。

►コメント送り先アドレス pr@moeginomura.co.jp                

令和8年9月1日      萌木の村村長

                              

◼️動画アドレス

【松岡修造取材】“史上最強の柔道家” 山下泰裕 3年前の事故「命が残った意味」【報道ステーション】(2026年8月22日)

◼️佐藤和子さんからのメッセージ

【これが今の私。では、この私が今日する勤めは何か】

 先日、柔道家・山下泰裕さんの特集(報道ステーション)を拝見しました。

 山下さんは、1984年ロサンゼルス・オリンピック柔道男子無差別級の金メダリスト。現役時代には全日本選手権9連覇、国内外の公式戦203連勝という偉業を成し遂げ、同年、柔道選手として初めて国民栄誉賞を受賞されました。引退後も柔道界を牽引し、全日本柔道連盟会長や日本オリンピック委員会(JOC)会長などを務められた方です。

 私自身、仕事(司会)の関係で何度かお目にかかりました。そのたびに、これほどの実績を持つ「世界の山下」とは思えないほど、穏やかで謙虚に、こちらが恐縮するほど丁寧に接してくださったことが心に残っています。

 その山下さんが、3年前、事故によって大きな怪我を負われました。現在は、左手を除いて首から下が麻痺するという重い後遺症を抱え、車いすで生活されています。

 それでも、思考する力も、人と向き合い語る力も変わることなく、今も大学で教鞭を執り、学生たちに柔道やスポーツ、そして生きることについて伝えておられます。

 その姿を拝見しながら、私は「生きる」ということについて考えました。

 人生には、ときに突然、それまでの「自分」を支えていたものが変わってしまうことがあります。若さ、健康、身体の自由、仕事、大切な人との関係・•・・。昨日までできていたことが、今日はできない。思い描いていた人生とは、違うものになってしまう。そんなとき、「これが今の私。では、この私が今日できることは何だろう。」そう問い直すことができたなら、そこからまた、新しい務めが始まるのかもしれません。

 仏教では、今ここにあるこの身、この命を離れて、どこか別の場所に「本当の自分」があるとは考えません。思い通りにならない身体も、変わってしまった人生も、そのまま引き受けて、今ここでできることをする。それが、今を生きるということなのだと思います。

 203連勝を成し遂げた柔道家としての山下さんも、今、車いすから人に語りかける山下さんも、どちらも同じひとりの山下泰裕さんです。身体の自由を大きく失われても、山下さんの歩みそのものが失われたわけではありません。今の身体で、今の場所で、今できることを続けておられる。そこに、私は一つの「強さ」を感じました。

 強さとは、何も失わないことではない。思い通りにならない現実を引き受け、その時の自分にできることを続けていくこと。それもまた、人間の強さなのではないでしょうか。そしてそれは、特別な人だけの話ではありません。人は、人生が変わってしまったときにも、その「今の自分」から務めを始めることができるのだと思います。大きなことでなくてもよいのです。目の前のことを一つ丁寧にする。誰かの話に耳を傾ける。「ありがとう」と伝える。仏前に静かに手を合わせる。今日の自分にできる、小さな一つのことをする。それが、その日の務めなのかもしれません。

   以前の自分に戻れなくても、今の自分だからこそできることがあります。私たちもこれから、さまざまなものを失っていくことでしょう。だからこそ「これが今の私。ではこの私が今日する務めは何か。」と問いながら、一日一日をいただいていきたいと思います。今日の私にできる務めを、今日ひとつ。その一つを大切にするところから、また明日が始まっていくのだと思います。

以上

PAGE TOP